こんにちわ、爪川です
今回の記事ではVOMSで行う項目について、そのやり方を簡単にまとめていこうと思います
VOMSの7項目:簡単説明
VOMSとはVestibular Ocular Motor Screeningの略で、前庭機能や眼球機能を簡潔にチェックする検査方法です
今までこのVOMSに関しては何回も取り上げてきましたが、そのやり方の説明記事は書いていませんでした
というのも、国立スポーツ科学センターのウェブサイトでやり方を動画で紹介しているので、私からは必要ないかなと思っていたからです(そのウェブサイトはこちらをクリック)
ただ、VOMSに含まれている項目をより簡潔にまとめておくのも何かの参考になるかもと思い、今回はそういった内容の記事にしようと思います
また、VOMSを日本語訳したものは以前にまとめており、無料ダウンロードも出来ますので気になる方はこちらの記事をご覧ください
VOMSに含まれる7項目
VOMSには7つの検査項目があります
それは以下の7つです
- スムーズパスート
- サッカード 水平
- サッカード 垂直
- 輻輳 近点
- 前庭動眼反射 水平
- 前庭動眼反射 垂直
- 視覚運動感度
VOMSではこれら7項目に関して詳細なやり方の手順があります
例えば、サッカードであれば患者から何mの場所に目標物を置き、それは患者から見て〇〇度となるようにするなどです
そう言った詳細な手順は上記でご紹介した日本語訳でご確認いただき、ここでは「そもそもスムーズパスートやサッカードってどう言った動きか?」というところをまとめていきます
スムーズパスート
スムーズパスートとは頭は動かさずに目だけを動かして目標物を追い続ける動きです
英語ではSmooth Pursuit、日本語では追跡眼球運動や滑動性眼球運動とも呼ばれます
VOMSではベースライン時との症状の比較が行われますが、それと一緒に眼振などがないかもチェックするのもいいかと思います
サッカード 水平/垂直
サッカードとは頭は動かさずに目だけを動かして目標物に焦点を合わせますが、スムーズパスートとの違いは目標物を追うのではなく、素早く眼球を動かして焦点を合わせる点になります
水平方向に離れた2つの目標物を見る「サッカード 水平」と、垂直方向に離れた目標物を見る「サッカード 垂直」があります
どちらの動きでも症状の悪化や誘発をチェックしますが、それと同じく焦点が毎回合わせられているかや眼球運動のスピードなどもチェックするのもいいかと思います
輻輳 近点
輻輳(ふくそう)とはいわゆる「寄り目」のことです
「輻輳 近点」では目標物をどこまで鼻先に近づけられるかを計測していきます
ここでは目標物がぼやけるのは無視し、二重に見えるもしくは眼球が外側に動くような異常運動が見られるまで近づけます
前庭動眼反射 水平/垂直
前庭動眼反射では目標物に焦点をあわしつつ、頭を水平、そして上下(垂直)に動かします
これはスムーズパスートの反対版のような形で、スムーズパスートでは頭は固定で目は動かす、前庭動眼反射では頭は動かし目は固定します
この時も症状の誘発や悪化をチェックしますが、それに加えて眼振や目の動きの幅などもチェックしてもいいかと思います
視覚運動感度
視覚運動感度では目標物に焦点を合しつつ体を回旋させて「背景」を動かします
まとめ
以上、今回はVOMSにある7項目の検査方法を簡潔に見ていきました
脳振盪後の状態チェックではSCATと共に用いられることが多いかと思いますが、まだまだ使用されていないケースもあると思います
難解な検査方法でもなく多くの器具が必要なわけでもないので、スポーツ現場では非常に使いやすいツールかと思います
参照資料
日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター 脳振盪の啓発コンテンツ
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