「慢性外傷性脳症」と「頭部への衝撃」の因果関係:NIHとCDCの見解

その他

こんにちわ、爪川です

今回は本題に入る前にあるニュース記事について見ていきたいと思います

そのニュースはこちら👇

US health body rules collision sports cause CTE in landmark change
In a move that will have ramifications for collision sports, the US National Institutes of Health has formally acknowledged a causal link between repeated blows...

この記事はアメリカの国立衛生研究所(NIH:National Institute of Health)が脳振盪などの「繰り返しの頭部への衝撃」と「慢性外傷性脳症(CTE)」の間に因果関係を認めたとする内容です

「繰り返しの頭部への衝撃」と「CTE」の関係は少し前に発表された論文で「因果関係がある」と結論づけたものがあり、国立衛生研究所はそれを反映した形となります

そこで今回のブログでは「繰り返しの頭部への衝撃」と「CTE」の因果関係について、国立衛生研究所は正確には何と言っているのか。そしてアメリカにある国際的な機関の疾病対策予防センター(CDC)の見解はどうなのかを見ていきたいと思います

「慢性外傷性脳症」と「頭部への衝撃」の因果関係:NIHとCDCの見解

国立衛生研究所(National Institute of Health)の見解

参照資料2

まず初めに国立衛生研究所(NIH)の見解を見ていきます

最初に紹介したニュース記事ではNIHが「繰り返しの頭部への衝撃」と「CTE」の因果関係を認めたと紹介していましたが、NIHのホームページには以下の記載がありました

“Chronic traumatic encephalopathy (CTE) is a delayed neurodegenerative disorder that was initially identified in postmortem brains and, research-to-date suggests, is caused in part by repeated traumatic brain injuries. “(参照資料2)

”慢性外傷性脳症(CTE)は死後の解剖によって明らかになる遅発性の神経変性疾患だが、最新の研究が示唆するところでは繰り返しの頭部外傷によって部分的に引き起こされる”

日本語訳の仕方によって多少表現は変わると思いますが、NIHの公式サイトでも繰り返しの頭部外傷とCTEの関係についてある程度の因果関係があることを言っています

ただNITでは「繰り返しの頭部への衝撃」ではなく「繰り返しの頭部外傷」と言っているので、若干ニュアンスは違ってくるのかなと思います

「繰り返しの頭部への衝撃」では”Subconcussive”と言われるような脳振盪の様な症状が出ない衝撃も含まれる印象で、「繰り返しの頭部外傷」では脳振盪を含む症状が発生した外傷のみを含んだ印象です(個人の見解です)

いずれにせよ、NIHの公式サイトでもCTEの原因については繰り返しの頭部への衝撃・外傷が関わっていると認めています

疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)の見解

アメリカにはNIHの他にも疾病対策予防センター(CDC)という世界的な機関があります

CDCも「繰り返しの頭部への衝撃」と「慢性外傷性脳症」の関係について見解を発表しているので、それも併せて見ていきます

参照資料3

この資料はCDCの公式サイトにあるものですが、「繰り返しの頭部への衝撃」と「慢性外傷性脳症」の関係については以下のように記載しています

“CTE is a brain disease that can only be diagnosed after death. It has been linked to specific changes in the brain that affect how the brain works. The research to date suggests that CTE is caused in part by repeated traumatic brain injuries, including concussions, and repeated hits to the head, called subconcussive head
impacts. However, understanding among researchers about the causes of CTE is currently limited.”(参照資料3)

”CTEは死後にのみ診断が可能な脳の疾患です。脳内の特定の変化に伴って脳機能に影響を与えます。最新の研究ではCTEは部分的に繰り返しの頭部外傷(脳振盪を含む)や繰り返しの頭部への衝撃(サブコンコンカッシブな頭部への衝撃)によって起こると示唆されています。しかし、CTEの原因についての理解はまだ限定的です”

この文章を見ての通り、CDCの方では「慢性外傷性脳症」は「繰り返しの頭部外傷」と「繰り返しの頭部への衝撃」によって部分的に起きるとしています

NIHとの違いはNIHは「繰り返しの頭部外傷」だけを言及しているのに対し、CDCでは「繰り返しの頭部外傷」と「繰り返しの頭部への衝撃」も記載しています

ちなみにこの文章が記載されたPDFは2019年の1月に作成されたものなので、CDCはNIHよりも先に「慢性外傷性脳症」と「繰り返しの頭部外傷・頭部への衝撃」にある程度の因果関係を認めた形となっています

まとめ

今回のまとめです!

  • 「慢性外傷性脳症(CTE)」と「繰り返しの頭部外傷・頭部への衝撃」の因果関係は完全にはまだ不明
  • ただ、アメリカにある国立衛生研究所や疾病対策予防センターといった機関では、ある程度の因果関係があるとしている

参照資料

1 The Guardian, US health body rules collision sports cause CTE in landmark change

2 National Institute of Health, Focus on Traumatic Brain Injury Research

3 Centers of Disease Control and Prevention, Answering questions about chronic traumatic encephalopathy(CTE)

コメント

タイトルとURLをコピーしました