アマチュアスポーツ団体での脳振盪対策の現状、イギリスの場合

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はじめに

脳振盪は他の怪我と同じように早期に発見し適切な診断・治療・リハビリが必要な怪我です

プロスポーツ界では脳振盪に対して適切な対応が出来るような準備や知識が広まってきていますが、アマチュアスポーツでは同じようにいかない場合も多いです

今回の記事ではそのようなアマチュアスポーツ界での脳振盪対策の有無や状態をまとめた調査を見ていきたいと思います

この調査はイギリスで行われたもので、合計15のアマチュアスポーツ団体の脳振盪対策を比較しています

※この調査もそうですが、先日発表があったイギリス政府が国内で統一して使用できるような脳振盪のプロトコルを作成していくことなど、脳振盪への対応についてかなり力を入れている印象です(それに関しての記事はこちらをクリックしてください)

アマチュアスポーツ団体での脳振盪対策の普及、イギリスの場合

概要

・アマチュアスポーツの中でも脳振盪のリスクが高く、且つイギリス国内で広く親しまれているスポーツを調査

・そのスポーツを管理する競技団体が脳振盪対策を一般に公開している場合はその資料を調査。一般公開していない場合は、競技団体に直接連絡を取った

・現在スポーツ界で脳振盪対策の一般的な指標となっている2016年にベルリンで発表された共同宣言(Berlin Statement)と、各競技団体が実施している脳振盪対策を比較

対象となったアマチュアスポーツ団体

・アメリカンフットボール

・バスケットボール

・ボクシング

・クリケット

・自転車

・ゲーリックゲームズ

・体操

・ホッケー

・乗馬

・アイスホッケー

・柔道

・ネットボール

・ラグビーリーグ

・ラグビーユニオン

・サッカー

結果

脳振盪対策の有無

・自転車と乗馬以外の団体は全て脳振盪対策のガイドラインがあった

脳振盪の評価ツール

・ボクシングと柔道は評価ツールの記載なし

・他の団体はSCAT3またはSCAT5及びポケット脳振盪認識ツールを使用

・ゲーリックゲームズはVOMS(Vestibular Ocular Motor Screening)も使用

段階的復帰プロトコル

・全ての団体で段階的復帰プロトコルを採用

推奨されている競技復帰までの最低所要日数

・ホッケーとアイスホッケーは全競技団体の中で最短の6日との記載

・他の団体は7日〜35日(ボクシング)で隔たりがある

子供への脳振盪対策の有無

・アイスホッケー以外の競技団体は成人とは別に子供への脳振盪対策の記載あり

脳振盪の既往歴の記録管理

・クリケット、バスケットボール、柔道、ラグビーリーグでは脳振盪に関してのデータを記録している

まとめ

今回はイギリスのアマチュアスポーツ団体を対象とした脳振盪対策の有無や内容について見てみました

この調査の最後では、各競技団体が別々の脳振盪対策をするのではなく、イギリス国内で使用できる一貫したガイドラインを作成するべきとしています

また、脳振盪の記録管理なども一元化することで適切に選手の健康状態の管理や適切なケアの提供にも繋がると述べています

イギリスのガイドラインの件も含め今後それがどうなっていくのか、他の国にもそのような流れが広まるのかは見ていきたいと思います

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました

参照文献

Scullion E, Heron N. A Scoping Review of Concussion Guidelines in Amateur Sports in the United Kingdom. Int J Environ Res Public Health. 2022 Jan 19;19(3):1072. doi: 10.3390/ijerph19031072. PMID: 35162096; PMCID: PMC8834413.

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