はじめに
こんにちわ、爪川です
他のスポーツの怪我と同じように、脳振盪を受傷すると安全にスポーツが出来るようになるまで治療やリハビリなどを行います
どの程度のリハビリ期間で競技に戻れるかというと、成人では約2週間、子供であれば約4週間で競技に復帰する場合が統計的に多いです
また、成人であれば脳振盪受傷者の8割程度は1ヶ月以内に競技復帰を果たしています
ただし、スポーツ選手であれば怪我をしたあとは「より早く、より安全に」試合に戻りたいと思いますし、その為の研究もスポーツ選手でよく起こる怪我(例えば肉離れなど)では盛んに行われています
脳振盪に関してもこのような「より早く、より安全に」復帰するための研究は行われており、現在わかっているのは「早期の有酸素運動の開始」と「早期に診察を受ける」ことです
そして今回の記事では「早期に診察を受ける」に関しての論文のデータを見ていきたいと思います
脳振盪 早期の診察→早期の回復
・162名の脳振盪受傷者を調査(平均年齢15.3歳、男性71名、女性91名)
・162名を以下の2グループに分ける
①脳振盪受傷後、7日以内に診察を受けたグループ(早期グループ)
②脳振盪受傷後、8-20日以内に診察を受けたグループ(遅延グループ)
・それぞれのグループの人数
①早期グループ:98名
②遅延グループ:64名
・それぞれのグループで競技復帰までに必要だった日数
①早期グループ:51.1日
②遅延グループ:66.0日
・それぞれのグループで30日以内に競技復帰した人数
①早期グループ:51名(52%)
②遅延グループ:12名(19%)
まとめ
今回の研究では、脳振盪受傷後7日以内に診察を受けたグループの半数以上(51%)は30日以内にスポーツ復帰しているのに対し、受傷後8-20日以内の診察グループではその数は19%の留まっていることがわかりました
この研究の対象者は日本で言う中学生から高校生の年代ですので、診察が遅れる理由として「脳振盪だと思わなかった」「多少の頭痛だけで大丈夫だと思った」と言うことも考えられます
ただしこの研究結果のように、脳振盪や「何かおかしい」と言う場合はすぐに医師の診察を受けて治療やリハビリを開始した方が、最終的にはより早期にスポーツに復帰することが可能です
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました
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