オーストラリアのニュースより:脳振盪の最短復帰日数は今より長くすべき!?

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はじめに

こんにちわ、爪川です

今回はオーストラリアのニュースサイトに脳振盪に関して記事があったのでそれを見ていきたいと思います(参照資料1)

その記事では「オーストラリアンフットボール(Australian Football)という競技では脳振盪を受傷すると最低12日間は試合に出場出来なくなりますが、その期間をより長くするべきでないか」といった旨の内容が書かれています

※オーストラリアンフットボールとはオーストラリアで最も人気のあるスポーツです(参照資料2)。日本にも日本オーストラリアンフットボール協会というものがあり、そこのYouTubeチャンネルで競技内容の説明動画がありましてのでここに貼り付けておきます。

【AFLって何?】オーストラリアンフットボール説明動画 – What is AFL?(日本語ナレーション付き)
参照資料3

記事の内容

・現在、オーストラリアンフットボールでは脳振盪を受傷した選手は12日間は試合に出場出来なくなる

・ただ、メルボルンにあるモナーシュ大学(Monash University)のDavid Wright准教授の研究によれば、その12日間の出場停止期間では試合復帰出来るまでに選手が回復したとしても、脳が回復しきれていない可能性があると報告した

・Wright准教授の研究では13名のアマチュア選手を対象に脳振盪受傷直後と受傷から12日後にMRI撮影を実施

・その13名は12日後に競技復帰を果たしたものの、MRI画像上では脳は回復しきれていない状態だった

・Wright准教授は被験者数の少なさなどの研究の制限は言及しているが、オーストラリアンフットボールは脳振盪に関しての問題の解決や脳振盪プロトコルに関して慎重な議論が必要だとしている

考察

今回の記事では「脳振盪を受傷すると例え試合復帰出来るほど回復していたとしても、12日間という期間では脳は回復しきれておらず、その期間を延長すべき可能性がある」という内容でした

Wright准教授の研究内容は読んでいないのでそれはここでは触れずに、この記事を見て私が思ったことは以下の通りです

①現在、オーストラリアンフットボールでは引退したプロ選手が脳振盪の後遺症で通常の生活が出来ず、協会を相手取り生活面の補償などを求める裁判が起きています(参照資料4)。ですので、「オーストラリアンフットボールと脳振盪」もしくは「スポーツと脳振盪」というのは社会的関心が高くなっていると思います。上記のようにオーストラリアンフットボールは国内で人気の高いスポーツですし、その選手の安全を守るためにより安全な施策に変更される可能性は高いと思いますので、今後は「12日間の出場停止期間」が延長される可能性も高いと思います

②そしてオーストラリアは国際スポーツ脳振盪学会(International Conference for Concussion in Sport)に第1回から中心的な役割を担ってきました。特にオーストラリアのDr. McCroryはその国際学会毎に発表される声明文の執筆者の1人で、スポーツ現場での脳振盪対策やプロトコルはその声明を参考に作成されてきました。ですので、そのような脳振盪に関して国際的にリードするような国の最も人気のあるスポーツで、脳振盪を受傷すると一定期間の出場停止期間がありさらにその期間を長くするべきという議論があることは、可能性として上記の国際的な学会でも議論にあがるかもしれません。将来的には、その国際学会の声明文でも脳振盪を受傷すると一定期間の出場停止期間を設けることが推奨されるということもあり得る話かと思います。もしそうなった場合は日本のスポーツ現場でも一定期間の出場停止期間を取り入れる必要性も高くなることが考えられます。

※ちなみに上記のDr. McCroryは今まで国際スポーツ脳振盪学会に執筆者として参加してましたが、今年3月に発覚した論文盗用の疑いでそのポジションを辞任しています。この問題は深刻で、British Journal of Sports Medicineは今までDr. McCroryが執筆者の1人として関わった国際脳振盪学会の声明文(2004:プラハ、2008:チューリッヒ、2012:チューリッヒ、2016:ベルリン)に問題がなかったかを調査中とのことです(参照資料5)

参照資料

Post-concussion break from footy should be longer than 12 days: study

10年オーストラリアで最も人気のあるスポーツトップ2021

【AFLって何?】オーストラリアンフットボール説明動画 – What is AFL?(日本語ナレーション付き)

Pain, glory, concussion: former AFL players and their families speak out about league inaction

New investigation into allegations of plagiarism against concussion expert Paul McCrory

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