スポーツ中の脳震盪とAFE:Age of First Exposure

その他

※この記事は以前noteに掲載したものです

Chronic Traumatic Encephalopathy (CTE)

Repeated Head Impacts (RHI)

Age of First Exposure (AFE)

これら3つの言葉は全てスポーツ中の脳震盪に関した言葉です

CTEという単語は2015年のウィルスミス主演映画「コンカッション」でも取り上げられたので、ご覧になった方はピンと来たかもしれません

CTEの解説です(ウィキペディアより)↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/慢性外傷性脳症

CTEとは日本語では「慢性外傷性脳症」と言い、これは度重なる脳への衝撃による脳神経の変性を伴う疾患です

症状は性格の変化や認知能力の低下(物忘れなど)、認知症やパーキンソン病などと似ている部分もあります。ですが、他の疾患と違い現在CTEと確定診断するには死後に脳を解剖する以外に方法がありません(MRIなどの画像診断などでも診断できません)

CTEの原因の一つは度重なる脳への衝撃、これを英語ではRepeated Head Impactsと言います

死後にCTEと診断される方の多くは元プロボクサーや元プロアメリカンフットボール選手、元プロアイスホッケー選手など頭に強い衝撃が加わることが多いスポーツを行なっていた選手です

アメリカのボストン大学ではこのCTEの研究が行われており、どの様な要因がCTEに繋がるのか等を探っています。その中で度重なる脳への衝撃の蓄積具合を評価する指標としてcumulateive head impact index(CHII)というものを編み出しました

そしてこのCHIIが高くなればその分だけ認知障害やうつ傾向、行動障害などの発生率との関係があることがわかりました(ただし、まだ確定的な事を言える段階ではなさそうですが)

ですので、このCHIIが高くなればその分脳の障害なども起きうると考えると、いかにしてこのCHIIを抑えるかが次の課題になってきます

CHIIを構成する要素は多くあるのですが、そのうちのいくつかは”脳震盪受傷の回数”、”アメリカンフットボール歴”、”アメリカンフットボールを始めた年齢”です(CTEの研究ではアメリカンフットボール選手を対象にしたものが多いので、このCHIIの要素もアメリカンフットボールを対象とした要素が多くなります)

研究ではこれらの要素の中で”変えられるもの”と”変えられないもの”を分けています

”変えられない要素”とは例えば”脳震盪受傷の回数”です。受傷してしまったものは変えられませんし、脳震盪を100%防ぐのも難しいです

逆に”変えられる要素”では”アメリカンフットボールを始めた年齢”をあげています。実は冒頭の”Age of First Exposure”とはこの”アメリカンフットボールを始めた年齢”の事を言います(正確には頭部に度重なる衝撃が加わるスポーツを始めた年齢と言えますが、今回の研究ではアメリカンフットボールとしています)

このAFEがCHIIの要素で重要だと言われている理由は、脳神経が発達・成長する時期に脳への衝撃があれば、脳の正常な成長を妨げることになるのではないかという考えからです

現に12歳未満でアメリカンフットボールを始めた被験者と、12歳以上でそれを始めた被験者を比較すると、前者は中年になってからの脳機能(言語記憶や意思決定)においてより機能低下がみられたとの報告があります

少し前ですがイギリスかアメリカで子供がサッカーをする際にヘディングを禁止することになったとのニュースを見ました。おそらくその背景はこのAge of First Exposureがあるのだと思います

現実にこのような成長段階の子供の頭部への度重なる衝撃を防ぐ手立ても実行はされていますが、実際のところCTE(慢性外傷性脳症)もAge of First Exposureもわからないことだらけ。まだ何も確定的なことは言えないのではないかと思います

わからない故に、今後も研究結果を追跡していこうと思います

ちなみに個人的には6歳から20代までずっと剣道をしており、その間は頭を竹刀で叩かれまくってますが今のところ大丈夫です。案外、剣道の様な叩かれる(衝撃が来る)とわかって打たれるのと、アメリカンフットボール等のブラインドサイドからのタックル(視界の外からくるタックル)で体が準備できていない状態で受ける衝撃との違いというのも関係あるのかなと思います

参照本↓

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